撥水と防水の違い
どちらも中の人やモノが水で濡れないように守るという点では同じですが、水に対するアプローチが異なります。
水を「通さない」ようにした加工が防水で、水を「弾いている」状態の加工が撥水(はっすい)です。目的はほとんど同じでも、重きを置いている点が異なります。

防水は、水を通さない・水に濡らさないという点が重要で、物理的に水の侵入を防ごうとする技術です。水が通る隙間を無くしていこうとする考え方であり、これが防水加工の説明で「通さない」と書かれる理由です。
対して撥水は、水の性質である表面張力を利用して生地に「弾いている」状態を作り出していて、水だけでなく汚れなども付着しにくくするようにした技術です。水と接する面への加工によって撥水状態を起こしているため、持続性には限りがあります。撥水の場合に、撥水性や撥水効果といった表現が多いのはそういった理由のためです。
撥水性を持つ商品をピックアップ
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防水性を持つ商品をピックアップ
水に耐えられる度合い
撥水は、表面処理によって水が丸くなろうとする力を発揮させているため、繊維を編んだ生地でもその効果を得ることができます。ただし、その効果を上回るような状況には対応しきれません。強い雨などによって水圧がかかれば水は通ってしまいますし、大量の水がかかれば(水が丸い球になることができず)やっぱり水は通ってしまいます。あくまで多少の水がかかっても大丈夫といったレベルのものです。
防水は、素材が塩化ビニルや合成ゴムなどであれば素材レベルで水を通しませんが、それ以外の素材であれば生地に隙間はできてしまいます。この隙間を樹脂やゴムで埋めることで物理的な水の通り道を塞いであるのも防水(加工)としているため、防水には性能差があると考えたほうが良いでしょう。防水における、生地が水を通しにくい性能を表す数値が「耐水圧」であり、数値が高いほど強い雨などの水圧にも耐えられる防水性を備えています。
耐水圧の数値目安

- 300mm -- 小雨に耐えられる
- 2,000mm -- やや強い雨に耐えられる
- 10,000mm -- 大雨に耐えられる
- 20,000mm -- 嵐に耐えられる
耐水性の高い商品をピックアップ
蒸れたりしないの?
耐水圧の数値が高ければ水を通す可能性は低くなりますが、そのぶん空気の通りも悪くなり、湿気が中に溜まりやすくなります。蒸れによって快適さが損なわれないよう、内部の湿気を外に逃す性質を生地に持たせたものが「透湿性」です。

透湿性の高さは透湿度として数値で表されていて、透湿度が高いものほど蒸れにくいとされています。透湿性の数値は耐水圧の数値と一緒に示されている場合が多く、これは防水機能を持つ作業服やワークウェアにとって性能をアピールする重要な要素であるためです。特にレインウェアや合羽の価格の差は、これらの数値の違いによることが多いと言えます。耐水圧と透湿性が高ければ高機能であることは間違いありませんが、同時に価格も高くなってしまいます...。
こうした機能性素材の違いはそのまま価格に反映されますし、高級素材はそれだけでブランド名を持っていることがあります。なお、もっとも有名な防水透湿性素材ブランドがゴアテックス (GORE-TEX)でしょう。黒に金文字の菱形のマークを目にしたことがある方も多いと思います。
透湿度の数値目安

透湿性の高い商品をピックアップ
それぞれの注意点
撥水と防水それぞれの違いと特性が理解できれば、作業服・ワークウェアを選ぶときにも参考になります。
例えば、移動中の雨風をしのぐ程度の目的であればそれなりのスペックでも大丈夫でしょうが、風雨のなかで体を動かす時間が長い場合には湿気を逃す透湿性が重要になってきます。荒天のなかで移動や作業が多いとなれば耐水圧の数値も気になります。着用時間と作業強度に応じて、ウェアの耐水圧と透湿度の数値をチェックするようにしましょう。
なお、防水性はその素材自体が持つ性能でもあるため、効果の持続性や劣化についてはほとんど気にしなくても大丈夫です。ただし、洗濯などのメンテナンスには注意が必要で、一般的な衣料のように洗濯機任せというわけにはいきません。特に洗濯機を使った脱水には十分注意が必要です。
撥水は、洗濯のたびにその効果が低下していくリスクがあります。柔軟剤や漂白剤の使用はしないようにし、すすぎは長めに行うのがポイント。脱水は手短にすませ、陰干しのあとにしっかり乾燥させます。撥水機能は乾燥が不可欠なので、場合によってはアイロンを当てたり一時的に乾燥機を使うなどするのも効果的です。

防水も撥水も、いずれも機能性素材を使ったアイテムですのでメンテナンスにはそれなりの労力を要します。専用の洗剤を使う、専門のクリーニング業者に任せるなども長持ちさせる方法のひとつです。まずは洗濯表示をしっかり確認することが大事です。
まとめ
今回は撥水と防水の違いを紹介してきましたが、その特性は外部からの水の侵入をどう防ぐかにありました。合羽やレインウェアのように、濡れないように作られたウェアには防水加工が施されており、水を通さないレベルを表したのが耐水圧です。
対して、撥水加工はウェアの繊維に水が染み込まないように施された、水を弾く加工です。その主な目的は水を吸った生地が重くなるのを防いだり、汚れがつきにくくするため。雨による水の侵入から身体を守ることがいちばんの目的ではありません。
機能性の違いがわかれば、用途に応じて商品を選びやすくなります。作業環境や強度によって最適なウェアを選べば快適性を損なうことはありませんが、その時に注意したいのが透湿性です。蒸れを防ぐためには透湿度の高さをチェックしておきましょう。
それぞれの機能性数値が高ければ、そのぶん得られる効果も高くなりますが、それに応じてお値段も高くなるのが悩みどころですね。
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